脳梗塞とは脳の血管が詰まり、脳に血液が行かなくなることによって、脳が働くことを命じている身体のさまざまな機能が消失したり障害を受ける病気です。
脳出血、クモ膜下出血と共に脳にダメージを与える病気です。
脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血をすべて含んで脳卒中と呼んでいます。
脳卒中はいまや日本人の死因の第2位を占める病気です。(第1位はガンです。)患者は135万人、そのうち死亡率は約10%です。ちなみに交通事故による死亡者は約1万人です。脳卒中で生き残る患者は120万人、そのうち失語症の患者が33万人(厚生労働省調査、1997年、平成9年)以上います。
33万人という数字は東京都新宿区の人口に匹敵します。(2014年(平成26年)6月1日現在)。ただし1997年(平成9年)は古い年代のことなので現在の失語症の人々はこれよりも増えているものと思われます。
失語症とは、脳梗塞・脳出血と、交通事故などによる高次脳機能障害、遺伝子が絡むモヤモヤ病などにより、脳の左半球にある言語野(右利きのみ。左利きは右半球にあると言われている。)の機能がダメージを受け、それによって言語に障害をもたらす後遺症と言われています。
失語症になると、話せないだけではなく、聞くこと、書くこと、読むことも不自由になります。また、電話の応対や計算なども劣ります。ただ判断力や記憶力は病前と変わりません。
失語症になると自分の思いをうまく伝えることができなくなります。また、相手の言葉を理解するのも難しくなります。周囲の人に誤解されてしまうこともあります。人と会う機会も減り、孤立しがちです。
失語症は、知的障害とは違います。知的障害は、一般的には発達期に生じる適応障害をいい、知能指数の低さによって分けられると言います。失語症はその程度にもよりますが、かなりの部分において治ります。ただし、完治することはありません。